夕景
ひだかたけし
何処か遠く彼方から
子供たちの声響く夕暮れに
缶カラからから転がっていく
風もない 人もいない のに
からからからから転がって
グシャリひしゃげる 銀の乱反射
無数の記憶の断片が
ぱらぱらぱらぱら巻き上がる
)ぱらぱらぱらぱら巻き上がりながら
)突き抜けていく突き抜けていく
)闇色迫る現の向こうに
そうしていつしか舞い落ちる
再び缶カラ転がって
彼岸の柔らかな残照に
きらきらきらきら煌めいて
自由詩
夕景
Copyright
ひだかたけし
2020-09-20 20:19:44
縦