空と行方
木立 悟






月のまぶしい
天気雨の夜
雨と星を
月と海を混ぜる指


岩と水と樹
斜めの夏
痛みと窪み
路地を飛ぶ影


螺子 廻る方へ
廻る光
下へ 土へ
水の上の鳥へ


誰も居ない径
沈む三日月
曇と雨水
午後を忘れる午後の口笛


斜面へ 斜面へ
悪いことは重なる
灯りしかない街
すぎる影のけだもの


破裂したいのか覆いたいのか
夜でいながら水でいたいのか
白と灰の貯水池は
縦縞を映してゆらめいている



















自由詩 空と行方 Copyright 木立 悟 2020-09-16 08:31:38
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