トリフィドの日
梅昆布茶

どうせ狂ってるなら詩人ぐらいが適当だ
アメリカは暫くは大変な様子だろうけど

妻は何時も歳時記をかたてに句をひねり
僕は使いっぱで夜金を稼ぎ汗をかくんだ

でも良いこともいっぱいあって内緒です
ちいさな苦しみはいつも数倍の恩返しを

多少ふられても気にせずに恋しましょう
だって僕だけはきみがだいすきなんだね

いつか詩人になれるなら一緒になろうね
この柔らかな地球の薄皮いちまいの生命

僕はときどき品川駅前で夜中に荷降ろし
しているからよろしくおねがいしますが

コロナ禍でみんな夢を再考しているんだ
この価値観は一瞬のもの僕と君もちがう

柳田邦夫さんの母の言葉でしようがないっしょ
現実を肯定してそしてなんとかなるっしょこの

岩手と青森の境ぐらいの温もりのあるひびきが
ぼくをちょっと元気にしてくれたのはほんとで

曲った根をたしなめてくれるあたたかい言葉で
僕はダンボールの人生をダンボールのことばで

大好きなたむらしげるのファンタスマゴリアは
絵本も3000円なのででもいつか再びてにしよう

人間関係も愛も地層の表面にはりついた地衣類
トリフィドの日は近いかもしれないのですねえ






自由詩 トリフィドの日 Copyright 梅昆布茶 2020-09-11 11:33:18
notebook Home 戻る