長雨
たもつ
部屋に雲が入って
雨に濡れていく、色も形も音も
僕らはどこにも繋がらない二つの心臓
匂いもたくさん嗅いだ
かつては他の何かだったものが
また他の何かになっていく
記憶に触れればいつも
僕らは優しい嘘つきでいられる
昨日より少し衰えた僕が
昨日より少し衰えた君を愛しく思う
明日も
これからもずっとだ
自由詩
長雨
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たもつ
2020-09-05 12:22:08縦