イザベラのこと 2
ジム・プリマス

 イザベラとのお付き合いが始まって、一緒に散歩に行ったり、一緒に食堂でご飯を食べたり、部屋に呼んで料理をふるまったりしてみて、分かったことなのだけど、イザベラは若い日本から来た留学生の女の子たちとはちょっと違っていた。
 留学生の女の子たちの大半は、ご飯をおごったり、手料理をふるまったりしても、その場でお礼を言うだけで、お返しをする子はあまり居なかったけど(もちろん、何人かの女の子はきちんとお返しをしてくれた。)イザベラの場合は必ずと言っていいくらい律儀にお返しをしてくれた。
 大学の寮の食堂(外部の人も利用するちゃんとした食堂だった。)で食事を奢ると、必ず奢り返してくれたし、料理もビールも全部、こちらの持ち出しで、花見をした時も、後になって、大学の寮の食堂に、花見に同席していた若い男の留学生の子も一緒に、二人とも招いてくれて、食事をご馳走になったし、ダイソーで買った百均の携帯灰皿をあげた時も凄く喜んでくれたけど、しっかり、そのあとでジャスミン茶をくれた。
 とにかくイザベラはとても律儀な女の子だった。


散文(批評随筆小説等) イザベラのこと 2 Copyright ジム・プリマス 2020-08-06 21:28:19
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