8月の不思議
梅昆布茶

幼い頃から不思議でない
ものには
興味がなかった

そのものが不思議を
孕んでいるときには
ときめいたものだ

大洋や星
深海生物や
ジュラ紀の森

型紙のないものが
不思議だとしたら

それはいまの手のひらから
いちばん漏れおちてゆくものに
ちがいない

ぼくは次の駅でおりようと思う
プラットホームのないその駅は

いきなり不思議へと
通じているかもしれないから


自由詩 8月の不思議 Copyright 梅昆布茶 2020-08-06 19:21:39
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