光の場所
ひだかたけし

丸く黄白い
月が
宙に浮かんでいる
この夜は
脈動静か
気は鮮明
揺れる
草葉の陰に居て
絶えざる街のザワメキを
浴びて浴びる
わたくしが
視界に飛び込む
孤独の実を
むしゃむしゃ
食べて
祈っている
孤立と無縁に
陥らぬよう
黄白い月を
仰いでは
宙に向かって
祈っている

するといつしか
わたくしは
黄白い真ん丸の月となり
上昇していく何処までも
そうしてあの温かな
白手に包まれ宇宙渦
揉まれ呑まれて懐かしい
光の場所へ帰っていく
メダカと獅子と兎達
ひっそり身を寄せ合って
暮らし愛し合っている
あの光の場所へ
帰っていく










自由詩 光の場所 Copyright ひだかたけし 2020-08-01 20:17:03縦
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