道すがら
アラガイs


テレビのボリュームを下げる頃には晩酌の酔いもすっかり覚めている。
眠気を通り越してしまう         小腹も空いてきたよ、なんて
     と思って近い台所をあさるのだ。 (すがやかほれば)
 ビールに枝豆、ましてや山積みのカップ麺から選び取る ?
こんな蒸し暑い夜に湯気を出して、それも食べてしまえば朝の胃もたれが心配なので   と
冷蔵庫を開けてみれば絹ごしの小さな豆腐がひっそりとカップルで収まっていた。
  普段はあまり口にはしない豆腐も何故かついでにと買ってきてしまう。    ! 
 「冷酒」だな       夜に思う道は果てなく長い
  二つ折パッケージ  細切りの葱と鰹節をふりかけて濃口の醤油
夏の日の深夜には狩人  火照った胃袋との隙間には歯応えもやさしい「冷や奴」
         ひとり食べるには相性もバツグン  いいじゃん、これで満足したようなしないような
茂みも薄くなる通り  街の深夜にはもちろんカップル&麺だよ。熱くてあったまる
     夜の恋人さ。     あれ、冷や汗とはまた 寂しいものだ、ね。





自由詩 道すがら Copyright アラガイs 2020-07-20 01:48:13
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