紅蓮に染まる白い雨
アラガイs


軒下の燕が巣に籠もる
予め決められたとおりに事は運ばれる
近くで眺める遠い風景には歩も進まない
 変わるという不安には耐えているという不粋な雲行き
     そろそろ飛び立てよ
上空からみつめる親鳥の催促が      氷の粒になる
三度不幸に襲われるならば笑うものが取り残されるだけ
    煙に淡く 人の波間から
流れを断ち切るのよ燃え尽きた粉砕の黒い羽根駒
かれこれと画面に縦線が奔り出した  映像の終わりも近いなと 
  何を待つのか      旗振れよ雷鳴に
洪水の脈は止まらない
※欄の予定では/共同幻想論(吉本隆明)がETVで放送される/から
今日は、せめて濁流にのまれるなよ我が板屋敷
予想では傘を開くらしい 言い残した 
     街には薄紅色の患者たち
 おれオラに吊り上がる目線
狼少年だから選挙にも行かなかったのさ
染まる手前に流されたのか   村の遊歩道
  いまも雨は強く打ちつける








自由詩 紅蓮に染まる白い雨 Copyright アラガイs 2020-07-06 15:00:43
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