爪痕
ミナト 螢

稲妻が切り裂いた空は
爪を当てた人の背中だ
もう感じることのない熱や呼吸を
どうして空気は真似するのかな
生温かい風が頬に触れると
爪を噛んで歯がボロボロさ
少しも前に進めない夜を
低く見積もって深く嵌った
ボールを蹴飛ばしゴールに突き刺す
運命線の間を抜けて


自由詩 爪痕 Copyright ミナト 螢 2020-06-30 21:07:32
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