たましいひと



夕暮れの表層に漂う

たましい

どんな形容詞だろう

それは乗りものとか

愛とか

旅人なんかの様子をあらわすのかな

たましい林檎

いけないと知ったはずなのにふたたび齧ってしまう

たましい日々

生活というごたくさのなかの玉葱

たましい神さま

とうに愛想が尽きたと思いきや また赦されてしまう

たましいひとよ

夕やみがきみをそっと連れて行く

通せんぼしても

うすむらさきに染まった雲がヴェールのように

上空から降りてくる


 


自由詩 たましいひと Copyright  2020-06-27 01:52:07
notebook Home 戻る  過去 未来