ありふれた事件
TAT













芥川龍之介なら偸盗だ

石原慎太郎ならファンキー・ジャンプ



椎名林檎はモルヒネだ

レッチリの
アルバムは
バイザウェイで






ストーンズなら
ハンドオブフェイトだ



千鳥の漫才なら
頭痛薬と正露丸を間違えるネタがいい



かが屋は大富豪のネタがいいし





映画なら
最近観たのなら
淵に立つ




アガサならアクロイド殺しだし

竹本健治ならウロボロスの偽書を読め




























けれども絶対に

これだけは

忘れてはならないのは


そんなのは全部



道に落ちてる石の




どっちがカッコいい形か






俺が今ふと
思うだけの










ただの好き嫌いであって







ピーマンが嫌いとか
玉子が好きだというだけの







取るに足らない



超大事な話でしかない


























センスがいいとか
悪いとか











絞めて
肉を削いで
食う




その血の滴る



ひとしずく
ひとしずく





ひとかたまり
ひとかたまり















センスが良いも悪いも



ねえだろう
























それが食いたくて




がむしゃらに
ガツガツ
がつがつ












手が汚れるのも
気にせずに








食っただけの話だろ










































食ったら



毛布でもかぶって寝ろよ










毛布がある程



上等な身分ならな












































加えて




もしもランプがある程の


金持ちなら








油がある程の






大富豪なら

























































火が燃え尽きて


油蓋に落ちて



闇が世界を塗り込める迄は



















































































































































夢を見る事も出来るかもしれない








































































けれども陽が昇れば
仕事の時間は来る
























働かないと
疲れないし
疲れないと
眠れないし
眠らないと
夢は見ない





























んだよな

























1992ベルギー





















自由詩 ありふれた事件 Copyright TAT 2020-06-23 21:52:33
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