真夜中の詩
ミナト 螢

針と糸でまつ毛を縫い付けて
空に夜をプレゼントするから
青いドレスの裾で生きる
蛇口を捻っても
きっと美味しい水は出て来ない
この部屋にあるものは
形を忘れてしまいそうなほど
影に呑まれた光が泣くのに
宇宙ならどれだけの
星が還って来るのでしょう
人を離して来たせいで
もう手のひらは十分に
冷えてしまった
嫌われてゆくよ全ての冬から
足跡ひとつ残さずに
毛布の端みたいに繊細な
私の瞳を囲む夜空が
綺麗なうちに早く眠ろうか


自由詩 真夜中の詩 Copyright ミナト 螢 2020-06-03 16:34:00
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