今日も気のせい
秋也

水滴を垂らした
家族写真
父はぼやけ
姉はかすみ
弟はひきつる
母の顔とお腹を擦り穴を空ける

なんだろうコレ
なんでだろう
なんでなんだろう

私は私が憎いんだと思った
たっぷり詰まった遺伝子が耳鳴りのように
キーンと響いていく

銀皿にのせて
渋谷どこぞのクラブのライターで炙って
焼き切ろう

カラスが鳴く昼下がり
夏の気配がして
私はいっそう気怠くなる
頭の中で熟れたトマトがたくさん実る
記憶にないどこか家の庭が映る



自由詩 今日も気のせい Copyright 秋也 2020-05-30 15:36:08
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