イノセント
ミナト 螢

空を見上げると
青い悩みが売れてしまう
それは誰かが路地裏で
書いた絵のような話
君の重さを知りたくて
レースのカーテンを抱いた
微熱を出したみたいで
裾が千切れて叫んだ
不器用な針と糸が
縫い目を作って消えても
後ろめたさで君に会えそうもない
単純なことをややこしくして
誤魔化すのが得意だったせいで
笑い声から取り残された
放課後の教室は
風が入れ替わりやって来るのに
白いカーテンが僕を離さない
これが君だと思って揺れている


自由詩 イノセント Copyright ミナト 螢 2020-05-30 07:50:33
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