まごころ
秋葉竹



むらさきの
山と山のあいだに
真っ黄色の
満月がみえる
ようかん

栗羊羹

爪楊枝で刺して
爪は刺さないように食べて

妖怪のフリして眼鏡を
牛乳瓶の底みたいに
してみたら
なにも見えなくなって
ひとつだけ
願いごとが叶うことになると知ってる
アドレスを教えてくれるらしい
泣いている光の人の
それを教えてくれたら
わたしは闇の部屋で笑う

崩れかけの
むらさきの三角屋根の洋館の
2階の姿見の前にいるいつまでも
クスクス笑いながら






自由詩 まごころ Copyright 秋葉竹 2020-05-25 21:29:16
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