世界はそれぞれの手の中に
二宮和樹

あなたの現実ってなんだろう
「この世界に現れているすべてと」ある人は言うだろう

私の場合は少し違うだろうか
ただそれは、仮想現実としての妄想ではなく
この仮初の世界を形作るひな形の世界からと

明らかにその背景には
この現実を作り上げている理想が宿り
私たちを守り導いている

それらは常に意識的に私や彼らを伺い
「ああだ、こうだ」とやっている

「ははは」 
彼らにしてみればそうだ

でも、気づかぬ私たちは
時に迷いの淵に 
時に嵐の中に 
自らの在り方を委ね 
そうして委縮している

どちらの現実が私たちの実像なのか
あなたは知っているだろうか


そうして、この書き手である私はこう言うのだ

「形あるものは、そのうち朽ちるのさ
 この今の現実だってそうかも知れない
 もし君が経ち往生しているなら
 それはやがて形を失い
 新たなるものを作り出していくだろう
 そう、有体に言えば君が作りだしたものが
 君自身の現実なんだ
 だから、君はそれを描き替えることが出来る
 そうやって夢や新たなものはこの現実に現れるのさ」



希望はいつだって、君の手で作られていく
あなたもわたしも、すべての命も

なあに、怖がることはないさ
さあ、世界を確かめに行こう
君にならできる


自由詩 世界はそれぞれの手の中に Copyright 二宮和樹 2020-05-24 19:22:41
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