雨音
ひだかたけし

たんとんたんとん
連弾し
主を濡らし
雨の降る

空は灰白、
遠い目で
見つめている
眼差しが
銀の雨足、
瞼に乗せ
すっと透過し
宙を舞う

後に響く
雨音が
たんとんたんとん
連弾し
主の不在化した
刻を
静かに静かに
濡らしていく











自由詩 雨音 Copyright ひだかたけし 2020-05-16 19:38:35縦
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