月と火星と初老の男と(改訂)
ひだかたけし

冷気が肌刺す深夜だな
まだこんなに冷えるのだな

窓の外では月と火星が
煌々とランデブーし
窓の内では初老の男が
悶々と起きている

この不思議な惑星に生まれて
この不思議な惑星に居着いて
私は今を目醒めている

窓一枚で隔てられ
夜陰の空気に曝されて
月と火星と初老の男と
宇宙の夢見に佇んで

(私達はいづれも
壮大な宇宙の夢の中)










自由詩 月と火星と初老の男と(改訂) Copyright ひだかたけし 2020-05-15 16:49:41
notebook Home 戻る  過去 未来