さようならを言いたいだけ
鳴神夭花

針と糸で口を縫い付けては
自分は何も言葉を持たないのだと主張してみる
だから許してねとは言わないけれど
勝手に貴方は許して欲しがっていると断定する

痛々しいね
痛々しいよ

鬼ごっこで影を踏んだらはっとするように
いつだって違うルールが顔を出す
許して欲しくなんかないよ
夜な夜な泣いて生きているだけ


自由詩 さようならを言いたいだけ Copyright 鳴神夭花 2020-05-11 17:05:59
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