少年の夜
ミナト 螢

オルゴヲルの中で星が廻る
そこで夜空より少し明るい
黄昏を知って優しくなった
街の十字路に消えていく人は
昔の記憶を抱えたままで
お子様ランチの旗は
どこの国のものだったのか
そもそも作り物の
世界なのかも知れない
握って離した力が分かれて
いつから本物になるのだろう
人を信じた時かな
人を愛した時かな
懐かしさはもう言い訳に出来ず
雲が取れるように
角砂糖を入れなかった
コーヒーの苦味は僕の同級生


自由詩 少年の夜 Copyright ミナト 螢 2020-05-11 10:17:57
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