夜性
トビラ

窓辺には月明かりさえ落ちていて
ため息もらす夜の王子は

寝返りをしてふと気づく誰かいる
なんだ天使かびっくりしたよ

楽しくて夜の端っこおっこちた
夜空に返す大輪花火

魂を燃やしつくして固定した
あれが蛍座 初夏舞う星座

触れ始め波紋伝わる川べりに
夜明かり満ちる澄み渡る今

流れ出る行く宛もない白精を
聖生しては月が明るい

行く末を思うことなくいつまでも
走り始める夏の夜道を

しんとした夜に涙して幸せな
夢を生きてる 夜の胎内


短歌 夜性 Copyright トビラ 2020-05-08 06:04:42
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