ハミングバード
ミナト 螢

誰もが一度はあるだろう
口笛で空を天と地に分けたこと
リリィ、お前の名前が落ちないように
今日は晴天の上を行こう
そして誰にも届かない
高気圧の帯で抱きしめるよ
緩やかにたおやかに光が溶けて
お前を見失いそうになるのに
リリィ、こんな時でも何故、綺麗なの
このままずっと目を醒さないような
そんな顔をしていたから
何万年先のメロディを探し
お前の頬が緩むのを待つ
リリィ、この距離を沈黙と間違わないでね
見守るだけで幸せに追い付いた
その寝息をバラして立ち上がれ
リリィ、街は何度も
信号を赤と青と黄色に変えてしまう
お前と一緒に愚かなタイミングが知りたい


自由詩 ハミングバード Copyright ミナト 螢 2020-05-05 07:57:47
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