unhappy wedding
あらい

それはそれはしあわせな
夢で逢えたから
月の光で遮られて、
僕らを祝福するように
切っ先で黒く染められ、
満開の徒花の底でも
静粛に執り行う夜の柩

縹色のサークレットを夢に被せて
真っ白な地上を衣装に仕立ててさ
踊り空かすといい、楽になれるなら
サッシュには涙が沁み込んでも
溶け出した砂糖菓子の甘さも含ませ

蕩け出した足跡が崩れてしまっても
信じていたから、此処まで来れたんだね
軽々しく愛を否定しないで、
甘んじて受け入れましょう

季節を彩る彼方に捧げる
小花柄のドレープを翻して
ささやかな歌と栞に胸におしまい。
鮮明に記憶するこの物語は引き継がれて


自由詩 unhappy wedding Copyright あらい 2020-05-04 18:54:56
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