才能
ぺぺ

僕には才能がないようだ

趣味が高じてもどこかで壁にぶつかる
苦しい
とても苦しい

ふと周りの人を見てみると
壁を軽々と乗り超えているみたいだ

自分だけが取り残されたようだ
苦しい
とても苦しい
才能が無くて苦しいのに
孤独にまで苛まれるのか

あぁ置いていかないでおくれよ
ただそう思うばかりだ

孤独に身を包まれていた僕に
1つの囁き声が突然聞こえてきた

「最後になっても良いんだ」

その言葉はまるで木霊のように僕の耳に残して消えた

聞き心地が良いなぁ……

その温かな声調は僕の孤独を払い去った

そうか そうなのか

僕は僕だけの道を歩めば良いのか
そうだよね?それでいいんだよね?

それが正解ならば
僕はまた壁に向かって再び歩き出すよ
今度は自分のペースで

ありがとう先刻の声よ

僕はあなたのおかげで
1つ見つけたことがあるんだ

僕には"立ち直りの早さ”の才能があるようだ



自由詩 才能 Copyright ぺぺ 2020-04-28 13:24:56
notebook Home