ある愛
こしごえ

青い空の
広がりにわたしは悲しくなり胸がいっぱいになります。
あの日に去ってしまった あの雲。
そよ風に乗せて、
さようなら、とささやきました

あの雲の亡霊は
わたしと共に自転している
降って来ることはないあの日の雨

枯れた水晶時計の
針はもはや
動きません。
忘れない悲しみは青白く照る
照らされたわたしに影はない

あの日に失われた
この愛は だれにも知られることはなく
無表情に 泣いている

そうして いのちを見つめます


自由詩 ある愛 Copyright こしごえ 2020-04-27 09:34:54
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