シェルター
ミナト 螢
天井を避けるように
空へと向かっていく
いつもは言えなかった言葉が
しゃぼん玉の中にたくさんあって
もしも割れたら秘密じゃなくなる
人の涙は美しく見えるから
綺麗なものほど壊れやすくて
近付くのが怖いけれど
虹色の部屋に住んだりして
後悔することはないのかい
大人になるとしゃぼんの光が
果たせなかった約束みたいに
反射しながら記憶を折りたたむ
夏休みがまだ残っていたら
良かったのにね
自由詩
シェルター
Copyright
ミナト 螢
2020-04-25 13:58:15