玉ねぎの妖精
丘白月

光が尾を引いて
路地裏を抜けていく
小さなほうき星
縦長の猫の瞳に
十字を切っていく
オダマキをくぐって
広い畑に飛んでゆく
運動会のように並ぶ
ねぎぼうずの花
陽に捧げるように
月に願うように
小さな千の花が
線香花火のように咲き
土の中に星が生まれ
金色の月を育てる
妖精の光のような
まるく美しい子供


自由詩 玉ねぎの妖精 Copyright 丘白月 2020-04-23 22:41:25
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