汽車に核爆弾を積んで故郷まで
竜門勇気


花が咲く場所だったらどこでも
思い出すなにかがあるかでどこでも

夢の中で行けるはずさ
眠たいときに一緒に居たいやつが
暇そーにしてたら
なんだどーしたって声掛けて
乗り込んじまえ

ハッピーエンドはいつでも
どっかの誰かで使うもの
こっちには回ってこないさ
羨ましそうに見てるけど

やたらとめんどくさそーなものほど
手で握れば使いやすいんだ
僕ら以外はみんな持ってる
無縁そうな言い訳が
なんにでもつかえるから
こんなんなっちまった
そいつはひょっとして
僕だってやれたのか?
触れることすらためらわれた神聖なもの
喜んだりしても
気持ちよくなっても
良かったのか?

何度も傷ついて
安堵も気付いた
痛くなければ幸せだよって
苦しくないのは孤独じゃないと思って
ここまで
悲しくないのは嬉しいって
ここまで

三十分間の呼吸が
三分の窒息で終わっていく
うんざりする当たり前の中で
初めて
花が咲く街の中で
どこまでも続く靴紐を結ぶ日々
昨日と同じ
明日と同じ
幸せだとか思うのはどうでもいいことなのさ

ハッピーエンドで救われる物語
触れもしなかったあの幸せ
どこで使われていったんだろう
幸福が消費されていく
どこで作られて誰が使ったんだ

ハッピーエンドの使い方

ハッピーエンドの使い方




自由詩 汽車に核爆弾を積んで故郷まで Copyright 竜門勇気 2020-04-23 12:19:02
notebook Home 戻る