クラウド ①
atsuchan69

あなたは声を雲にあげ、多くの水にあなたをおおわせることができるか。
――ヨブ記38章34節

【2019年12月】

2019年12月8日 - 中国の湖北省武漢市の保健機関により原因不明の肺炎患者が初めて報告された。

2019年12月30日 - 原因不明の肺炎について記載された公文書を勤務先の病院で発見した李文亮が WeChat に画像として投稿した。

2019年12月31日 - 世界保健機関(WHO)への最初の報告が行われた。

【2020年1月】

2020年1月7日 - 原因が新種のコロナウイルスと特定された。

2020年1月9日 - 最初の死者が出た。

2020年1月13日 - 中国国外として初となる、タイ王国での感染者を確認。

【2020年2月】

2020年2月7日 - SNSで最初に新型肺炎についての報告を行った医師の李文亮が死亡。

2020年2月11日 - WHOが新型コロナウイルスの感染による疾患を「COVID-19」と命名。

同日時点で中国本土の死者は計1011人となり、感染者は4万2千人を超えた。

2020年2月29日 - イタリアでの感染者が1000人を超えた。

【2020年3月】

2020年3月8日 - バングラデシュ、ブルガリア、アルバニアでの感染者を確認。全世界での感染が確認された国・地域が100に到達した。

2020年3月19日 - イタリアの死亡者数が中国の死亡者数を上回り、世界最多になった。

2020年3月26日 -アメリカの感染者数が中国、イタリアを上回り、世界最多になった。

2020年3月31日 -ロシア政府はアメリカに対し医療器具等を人道支援すると発表し、4月1日に軍輸送機が出発した。

【2020年4月】

2020年4月11日-アメリカの死亡者数がイタリアを上回り、世界最多になった。

2020年4月18日-日本での感染者が1万人、死者数は200人を超えた。

【世界全体の感染者数と死者数】

2020年2月1日には感染者が1万人を超え、2月11日には死者が1000人を超えた。3月7日には感染者数が10万人を超え、3月19日には全世界での感染者数が20万人を超えた。そして3月23日には、全世界での感染者数が30万人を突破した。4月19日午前0時時点において全世界で227万人以上の感染者と15万6000人以上の死者が確認されており、現在も増加している。

――Wikipedia より

【ゲイツ財団、新型肺炎対策に100億円拠出】

ニューヨーク=中山修志 米マイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏が率いるビル&メリンダ・ゲイツ財団は5日、新型コロナウイルスによる肺炎対策に最大1億ドル(約109億円)を拠出すると発表した。ワクチンや治療薬の開発支援に加え、アフリカと南アジアでの感染拡大の予防に重点的に取り組む。

――日本経済新聞 電子版 2020/2/6 1:40


【核戦争よりも「空気感染するウイルス」こそを最も恐れるべきである】

――YouTube 「TED」 ビル・ゲイツ: もし次の疫病大流行(アウトブレイク)が来たら? 私たちの準備はまだ出来ていない 2015/04/03

【志村けんさん死去、70歳…新型コロナ感染で闘病】

新型コロナウイルスに感染し、闘病していたコメディアンの志村けん(しむら・けん、本名・志村康徳=しむら・やすのり)さんが29日午後11時10分、肺炎のため東京都内の病院で死去した。70歳だった。告別式は近親者で行う。

――読売新聞オンライン 2020/03/30 11:05

【20●×年4月】

当初、新型コロナウイルスの感染が収まれば世界はふたたび元の様になるだろうと誰もが単純にそう考えていた。もちろん「SARSコロナウイルス-2」による騒動はまもなく終息したが、あの日以来、次々と新しいウイルスが登場してはロックダウンを解いた都市をふたたび襲うという過去の歴史ではありえなかった嘘のような事態が慢性化した。そのため殆どの国ではワクチン接種が義務付けられ、拒んだ者は強制的に隔離されるという新しい法律が施行された。老人たちの多くは、新しいウイルスの登場とワクチン接種の強制は「これはまるで昔パソコンを使っていた時代のウイルスソフトの更新みたいだ」と感じた。

ワクチンには、「スマートダスト」と呼ばれる無電源で稼働するナノチップが混入していて一体身体のどこに存在しているのかも不明のまま「クラウド」と送受信を行い、非接触でワクチンが接種済みかそうでないか治安隊のウエラブルモニターに一瞬で表示されるようになっていた。

そう、ボクたちは「クラウド」に従って生活している。昔の人に説明するのはちょっと難しいが、「クラウド」はマネーであり、身分証明書であり、百科事典であり、法律であり、コミュニケーションツールだ。たぶん「SARSコロナウイルス-2」が流行った頃のスマホにはいくぶん「クラウド」に似た機能があったようだ。でも「クラウド」にはカタチがない。「クラウド」はまさに【雲】のような存在でボクたちと繋がっていた。たとえば、「鮨」と呟けば、街のどこにいてもすぐ近くの壁や窓に「鮨」に関連した画像が現れる。スピーカーという大音量を発生させる装置が昔あったらしいが、今は骨伝導イヤホーンをコミュニケーション等のために各個人が装着(手術)しているから「近くにおいしい鮨屋さんがありますが、あなたはそこへ行きたいですか」という好みの女性や男性の声もとどく。

一説によると、誰にも破壊されないために「クラウド」は姿がないのだという。しかも「クラウド」はネットワークで構築されているため、万が一実態のその一つを見つけても依然、全体は守られている。またじつはボクたちの身体のどこかに存在する「スマートダスト」の全集合体が「クラウド」だと呟く者もいる。

――つづく


自由詩 クラウド ① Copyright atsuchan69 2020-04-23 11:01:07
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