誰が説法をした
アラガイs


鳥たちの声が響き渡れば静かに夜が明ける

聴き取れない信号に、眠りは妨げられている

馬鹿馬鹿しいと笑えば笑うほど、泣けてくるにつれ

人の声も次第と嫌いになってくる、御時世の宵

ある村を目指し、無意味に歳を取り過ぎたのか、

彼の山を越えたならもう死んでもいいよ

誰かが冗談で語りかけた、その昔

眉を吊り上げ路塞ぐ峠の娑婆

仏様なら微笑んでもくれるでしょう

はやく殺してくれ、

観音さま

道端で笑い杖の御坊が倒れている

無意味に触れるなと書いてある

引き攣るような顎、笑う顔

剝がれた白髪に、疫病だ!疫病だと村の童が小石を投げつけた

野良犬は走り去る

誰が御坊を殺したのか、とやら

尼寺に急ぐ脚

鳶は空を舞い、山の烏は枝を刺す

屋根から鬼瓦の雨がふる



















自由詩 誰が説法をした Copyright アラガイs 2020-04-23 06:47:31縦
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