誰が説法をした
アラガイs
鳥たちの声が響き渡れば静かに夜が明ける
聴き取れない信号に、眠りは妨げられている
馬鹿馬鹿しいと笑えば笑うほど、泣けてくるにつれ
人の声も次第と嫌いになってくる、御時世の宵
ある村を目指し、無意味に歳を取り過ぎたのか、
彼の山を越えたならもう死んでもいいよ
誰かが冗談で語りかけた、その昔
眉を吊り上げ路塞ぐ峠の娑婆
仏様なら微笑んでもくれるでしょう
はやく殺してくれ、
観音さま
道端で笑い杖の御坊が倒れている
無意味に触れるなと書いてある
引き攣るような顎、笑う顔
剝がれた白髪に、疫病だ!疫病だと村の童が小石を投げつけた
野良犬は走り去る
誰が御坊を殺したのか、とやら
尼寺に急ぐ脚
鳶は空を舞い、山の烏は枝を刺す
屋根から鬼瓦の雨がふる