Dr.マルケ氏の予感
アラガイs

 
 そろそろ化粧をはじめなければ……
肉付いた太ももが張る。張るので痙攣をはじめる。
また    腸が泣き出した。
溜まった便の隙間からガスが漏れてくる。かと思えば三日後には便が止まらない。
ふくらはぎが痛い。メリメリな腰も痛い。 肩も。
鎖骨が割れ、ギシギシト頸筋の皮を突っ張りながら音は止まない。
ああ、傷が痛む。こころは砕け 砕けた。た。 ケタケタと。
身もこころも化け物の様相。
赤い血を薄めるという作業も、薄情者が乗り移るだけの仕業。それも
、掟なのか。こんなことならと思うのにはもう手遅れだったのだ。と、
外科医⚪マルケ氏のハ切れた口元が2ミリほど笑みを浮かべるのがわかる。
………思った以上にカール,ラガーフェルドは格好よかった。
「長生きしてほしいね。胸の十字架はそのために彫りを入れるのだ」。
返してくれよ。
 (卍)ドス黒い血を。
僕には泥炭に巣くう液状化した珪藻類が必要なのだ。とも
思わなかった。ほどにヌメリ
、この世は薄気味の悪い爬虫類が霊長類を貶めている。
手術、手術、ああ、なんでも手術ありきとは思えないほど僕の躰は弱くなってしまった。のだ。

追記。イラスト募集「新型コロナウィルス」せっかく僕の時代がやってこようというのに……







自由詩 Dr.マルケ氏の予感 Copyright アラガイs 2020-04-21 03:19:16
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