落ち葉の春
番田 

今日もドアを押すと
誰もいない街を 僕は行く 硬いペダルを
誰に会うこともなく踏みしめている そして
通い慣れた道に僕がいた


ラブ・サイケデリコの声
ラジオをつけると彼らは今もそこにいた
CDを借りたことがある 遠い昔のバンドの名前 
リスナーのメールが丁寧に読まれていた午後


僕も昔の日記をライブドアで時々読んでいる
そう ブログを 僕は
昔必死で書いていた 四畳半アパートに住んでいた頃
皿を洗いながら 儚い夢を心の中で追いかけていた


声を交わす誰にも熱い夢があったあの頃 そして
誰に この先会うのだろう どこに
この先行くのだろう そして
会った人と僕は何度別れてしまうのだろう



自由詩 落ち葉の春 Copyright 番田  2020-04-20 01:01:20縦
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