自殺超特急パッショーネ
虹村 凌


死にたい死にたい

と言うてたが、すまん

ありゃ嘘じゃ

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電車に揺られて
晩飯に喰った胃の内容物が音を立てる
ナッツとスナックで2日間繋いだ末
久しぶりの外食で胃も吃驚だろうな

今日はとても気持ちよく晴れていて
それはそれは暑かったのだ
みんなは裸でフットボールをしたりベースボールをしたり
喫茶店も机を外に出して お日様とコーヒーを飲んでいる

実際は慌ただしいのだろうけれど
感覚として時間がゆったりと 流れる
白い部屋の 煙草の煙みたいに

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死にたい死にたい

と言うてたが、すまん

ありゃ嘘じゃ

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日当たりの良い芝生で
煙草を吸いながら
ゆったりと時間を楽しむ

地球が回っている事も意識せず
何が起こっているのかも知らない
生きているだけで幸せだと実感できる時間を
ゆっくりと楽しむ

そんな日があると
もっと良い一日があるだろうと
少し欲が出る

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夜の街はとても綺麗だ

きらきらと光って

お金がなくたって幸せな気分になる

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結論を出すにはまだ早い
色々な事がわかりかけてきたばかりだ
もう大人に背を向ける事も止めた
今度はその背中を見つめるのだ
俺達にはまだ少し時間がある
生きる事を死ぬ事を考えるのも悪くない
だけど見る事も忘れずにいたい
しっかりとこの眼に

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パッショーネだ
情熱を持って
幸せな日々を手に入れよう
少しだけ欲を出して
もう少しだけ
幸せな日々を手に入れよう


そう、情熱を以てして、だ。











自由詩 自殺超特急パッショーネ Copyright 虹村 凌 2005-04-11 13:07:39
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「うにいくら丼」