風の鳴る未来
秋葉竹



風のつよい朝は
こころの傷が浮かびあがる
神聖な朝日に触れられて
恥ずかしげに
うずうずと傷がうごきだす

傷は
しんぞうから流れる
からだのなかの
赤い悲しみの出口で
ほどほどの
生活を邪魔することはない
だからほんらいなら私から
傷のことなど考えなくてもいい

にもかかわらず
傷つけた刃物の持ち主を知るために
つまり
私からあれを奪った者を知るために
なんども繰り返して
こころの傷を
みつめることとなる

すると
そこに
ゆっくりと死にそうになっている
じぶんじしんを
みつけたりして
みるんじゃなかったと
ふりかえっておもう


そこには
ただ

ごおっ!


風が鳴る未来が
みえる







自由詩 風の鳴る未来 Copyright 秋葉竹 2020-04-05 12:13:54
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