天井から見たトラとリスの茶番
朝焼彩茜色

話し合いをしたいけれど 眠ってしまったリス
明日の入園式の準備をと 慣れないパンプスにティッシュを詰め
デジタルにならない書類をトントン鳴らし 一呼吸

 肌寒いリビングに月明かりを想像しカーディガンを羽織る
 もうだいぶ痛んでくたびれた毛玉の処理も放置されたそれ
 春が根付いたら手放そうか 
 リスさんも手放そうか

中止?明日の入園式は中止 致し方ないメールの知らせ
話し合いはいつまで中止なのだろう
冷蔵庫にあるチョコレートに手を付けない
そうとうトラが怖いらしい

レイアーが違うのか夫婦は鏡合わせなのに
浅はかな思考に言い返せないトラ
頭大丈夫と尋ねたいがHSPのトラ
ストレスでおかしくなったのかリスは
それとも脳の病気
発達障害なのか
カサンドラ症候群のようなそのような診断を求めるまでもなく
この頭を使って進んでいかねばならない
転機 転機なのか 
どんな天気だ 晴れか 嵐か 槍が落ちて来るのか

さよならを言おうか
春風に任せて 決断も診断も ああ時間を流す 流している

夢で二十代のリスが何か言った それが分かれば解決するかもしれない
なんて言ったのか分からないとは 分かりたくないこと だから

さよならのメッセージなのかもしれない

話し合いをしたいけれど 逃げるように眠っている

   リスの頭の上にもくもくと昇っていくイメージが閃いたんだ
   トラに羽根が生えて 俯瞰しているんだ
   リスの知らないリスのを上から覗いているんだ
   トラの愛情か使命か依存か
   リスを引き上げなきゃとイメージが閃いたんだ

そんな話し合いをしたかったけれど よほど怖いのだろうなトラが
自分軸を刺してあげなきゃと トラの愛情か使命か依存かお節介か


自由詩 天井から見たトラとリスの茶番 Copyright 朝焼彩茜色 2020-04-04 00:14:08
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