メタモルフォーゼ
ミナト 螢

ドラえもんよりも
大きなポケットが
海を吐き出した世界に
足を浸すのが怖かった
僕は泳げないまま
言葉を掴めなくて
助けてなんてどうやっても
伝えられずにいるのだろう
ノートだと思って来た場所が
スケッチブックだと分かると
いつもより多く話すために
ナイフとフォークで切り刻む
恥ずかしがり屋の心にヒレが
溺れないように僕を遊んだ
生臭い言葉が生き延びて行く
海って良いなって言えるから


自由詩 メタモルフォーゼ Copyright ミナト 螢 2020-04-03 09:54:59
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