春の霊
朝焼彩茜色



 春ひと回り ぐおんぐおんと胸に降りて来る
きっと世界中の人がいなくなって
私 一人ぼっちになったとしても
 四季の小枝から息吹を唸らせて 生きていける
 
 群青から降りて来た 淡い風の螺旋を 桜
 その染めから私の胸へ入る 紅くどくんどくん鳴る
血となり肉となり魂が生きる 生きていれば魂が癒える

 四季が春が桜が 不動を振舞う 声が確実に降りて来ている
 四季が今 春が 恩寵をずしんずしんと画面を見えない速さに乗せて
 
伝えて来る 背中を合掌の手で押して

 群青の奥の魂が歌う場所から 伝えに来ている
 
 四季が故郷 
 春は大人
 桜は無邪気

 故郷はかみさま
 大人は知ってる人
 無邪気は星の子供

歌が聴こえる 世界中でひとりぼっちになったとしても
私は生きていける
四季の力 その励まし 血となり肉となり 魂を癒す
   


自由詩 春の霊 Copyright 朝焼彩茜色 2020-04-01 22:39:22
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