ジャスミンの妖精
丘白月

陽に透ける長い黒髪に
ウエディングドレスのような
白いジャスミンを編んで飾る

この香りがどうかあの人に
とどきますようにと

ジャスミンの茎を軽く噛んで
目を閉じて祈る

桃色の蕾が香りを閉じこめて
明日もあさっても
毎日咲こうとしている

誰かの祈りが叶うまでずっと
星のような花びらをひらく

妖精は香りをあつめて
香水を作りそっと渡す

通り過ぎてゆく
少女たちの
ポケットに
カバンに
心の中に



自由詩 ジャスミンの妖精 Copyright 丘白月 2020-03-27 22:59:40
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