出ていける
Lucy

  目の前に置かれたコップに
  なみなみと注がれた透明な夜を
  一息に飲みほせば
  僕はもうすっかり自由になれる
  高い窓の鉄格子の隙間をすり抜け
  出ていける
  幽かな光を放ちながら
  雲の向こうへ隠れたままの
  お月さまにだって
  会いに行ける


埃舞う舗道に貼りついたまま
ぼくにぴったり寄り添って
片時も離れず歩いていた影が
お日様の光の下で囁いた





自由詩 出ていける Copyright Lucy 2020-03-25 18:52:50縦
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