エバーグリーン
ミナト 螢

ひとり分の影に落ちる木漏れ日
その中で沸騰した八月が
僕の肺を夢で汚してくれた
始まりの季節が過ぎた後に
遅れた言い訳を忘れるほど
透明な唇を噛んでしまう
強く流れるカテーテルの管が
青い空を経由するのを探し
肺に溜まったガスに火をつける
熱くて溶けそうな
アイスクリームを断った時
友達ができなくなると思った
僕の体はバラバラにならない
夏の火薬に焦げた気持ちが
地面の凸凹を埋めるように
平らな呼吸が地球を超える


自由詩 エバーグリーン Copyright ミナト 螢 2020-03-18 09:24:12
notebook Home 戻る