三角定規
ミナト 螢

点と点を結ぶための線が
輪郭をはみ出していくような
新しい星を描いた夜は
手裏剣よりも遠くへ飛びたい
金平糖みたいな甘い星が
好きと嫌いとどうでも良いという
わがままなエゴリズムを作って
夜空に雫を垂らしていった
尖ったものほど遠くに置いて
自分の腹を括らないつもり
残ったものほど近くに置いて
おにぎりを食べさせてあげる
ランドセルを忘れても良いから
三角定規を背負っていたら
いつかは翼になると信じている


自由詩 三角定規 Copyright ミナト 螢 2020-03-08 09:30:20
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