よかった
中村 くらげ
コーヒーキャンディの甘ったるさがいつまでも消えない午後3時
雨ばかり降って袖口を濡らすから腕が重くて手が振れないや
最低な僕と最低な君が我慢比べしてどちらも負けて
たかがひとつ素直になるだけ、それを求めるのが無理な話だった
初めから決まっていたよ 運命ってやつさ
昼に食べたステーキで胃もたれしたことも
さっき小石に躓いたことも
今こんなに寂しいって思ってしまったことも
ただの言い間違いだ
愛してるなんか言わなきゃよかった
長いこと一緒にいなきゃよかった
夫婦になんてならなきゃよかった
そんなこと思わなきゃよかった
そんなこと言わなくてよかった
今日の夕飯はなにがいいかな
自由詩
よかった
Copyright
中村 くらげ
2020-02-26 14:58:56