風向き
ミナト 螢

言葉の表している意味が
まだ分からずに背中を押された
強かったはずが途中で休んだ
自分と似たような風を見つめて
今日も誰にも会わなかった
風は待つものを超えて来るから
景色に矢印を投げて当たる
人の頬を擦るようなランプで
消えない夢を望んだ夜でさえ
追い駆けて逆らって生意気にも
ハンカチで巻いて苦しめた
まだ何も始まっていないのに
旗のようになびく風の扉を
少しずつ開けて更けていく
肌の湿り気を奪って逃げた
街が乾いた瞳を浮かべる


自由詩 風向き Copyright ミナト 螢 2020-02-26 14:12:03
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