天使の産声
ミナト 螢

この身体がとても邪魔だった
微笑みを崩せないと思うから
泣いたり怒ったりする人を見て
天気予報の当たらない場所では
サンドイッチがバラバラになる
まるで飛べなくなった白い翼に
感情を挟み忘れたような
ランチタイムをひとりで過ごすの
楽しい時に寂しそうな顔で
周りを見渡してしまったけれど
置き物みたいなピクルスには
誰も触れないと知っている
外された天使の輪のように
生まれ変わるものがなくなった今
自由を含んだ口を調べる
この身体がとても愛しいよ


自由詩 天使の産声 Copyright ミナト 螢 2020-02-26 07:48:17
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