パスタにかけるなら優しい森だろう
山の雫

全ての生命は最終的に緑になる
彼女はそれを信じているが
俺は確かめたらいけないと思う

そして最悪の見た目のパスタを
最高の笑顔で俺に差し出し
俺の瞳の中に毎回奇跡を起こそうとする

俺はとても注意深くまばたきを繰り返し
素敵なトラップを誠実さで回避しながら
まあまあを瞬間的に積分する

俺は罪も無い緑の細胞達を
過失運転で冷酷に無期懲役にする
裁判長のガタガタ言う椅子に座っていた

彼女は喜びを期待するがそれは間違いであり
驚く程の美味なんて何処にでもある
俺は二重スパイの様に演技をしない演技をし

俺も彼女も満足する
背中の汗こそ努力の証だ
ねぎらいの言葉は緑の森にかけてやれば良い






自由詩 パスタにかけるなら優しい森だろう Copyright 山の雫 2020-02-25 15:16:23
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