うまくいかないことのほうが
詩になるじゃない
ぜんぶままならないまま
明日死ぬんだと知れば
職場のいやなやつだって
好きになれるし
世界一不幸なことが起きさえすれば
キリストにもなれる
思い上がってるんです、
わたし

十五才の感受性とか
置いてけぼりにしたんです、夜に
あすこの田んぼのそばの
ガソリンスタンドのほうに
そんでわたし、ちょっと大人びて
なにも感じないふりも
もうできるんです

わかっていることが
純粋なことって
どれだけこわいかって
何度も思い/知ったんです、
からい味のなみだが
どれだけわたしを
錆びつかせたか
みて　
わたしのこの目を
見て

まぶたをとじて
そのうらがわの暗闇にも
わたしのいのちがしみとおってることが
どうしてこんなに痛いの
そんなことから
わたしたちは逃れられない
神様
すべてはこんなにも
やさしくて
たまらないよ
いつも
いつだって