クリームソーダ
ミナト 螢

何から手をつければ良いのか
放って置いたら流されてしまう
甘くて引っ掛かりやすい言葉で 
古いアルバムの写真を剥がした
ありがとうは少しずつ溶けていく
さよならはあっけなく消えていく
ひとくちが冷たい舌を抜くから
いつもはスプーンを持っていないのに
掬えるものはまだあると信じた
体に触れる聴診器みたいに
心臓の音が優しく解くほど
一緒に過ごせる人と出会いたい
穏やかなことが正義になるまで
空気の隙間に微熱を寄せた
手のひらにさくらんぼの種を植え
ギュッと握るのが愛だと思って
ふたり分の実が成ったら食べよう


自由詩 クリームソーダ Copyright ミナト 螢 2020-02-22 07:51:51
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