水仙の妖精
丘白月


誕生日に買った花瓶
薄く透き通る黄色いガラス

食卓の窓辺に置かれ
水仙が部屋を見渡している

母の誕生日に咲く庭の水仙
可哀想だけど
そう言って摘んでくる

朝の澄んだ霊気を浴びて
水仙の妖精はゆっくりと
背伸びして花を開く

朝ごはんの匂い
沸騰した湯気の中
いつもより笑顔の母がいる



自由詩 水仙の妖精 Copyright 丘白月 2020-02-21 21:28:41
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