充足的な理由
ナンモナイデス


直観を疑うとき そういうときには 必然的に
他人任せの あやふやなデータや あやしい話に
乗せられているのが わかっている自分が
よく見えている自分が 自分に見えるときがある

古本屋の地下室には バナナが入っていた段ボール箱が
山積みにされている 故人が寄贈する 箱入り本の中には
地下文書などが ぎゅうぎゅう詰めになっていたりして
フィロカフェでは 古都をさる青年の送りの集いらしい
誰かがはなむけとして 肋骨レコードをかけていた…

根拠律ほど自明な理由はない これに逆らう者は
裸体の政治家や いわゆる裏社会のものたちだろう
かのクルーズ船の中でも カジノも楽しめたのだろう
宇宙船の中でも パンデミックな事態は起こりうる
「自分だけはまぬがれる」という 神話は無根拠である

いまだにこの根拠律は 有効であるから
【人間は死すべき動物である】



自由詩 充足的な理由 Copyright ナンモナイデス 2020-02-20 20:59:45
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